ご依頼の経緯
下請から、次は元請へ
茨城県水戸市で、主にとび・土工工事業を営む建設業者様からのご相談です。
民間工事の他、下請として公共工事の現場に入る機会が増えていました。
事業も軌道に乗り従業員も増え、会社として公共工事の現場にも慣れてきたことから、
「これからの事業展開を考えて、自社でも元請として公共工事を受注できるようにしていきたい。」
と考えるようになったそうです。
そこで、公共工事を元請として受注するためには、まず何から始めればよいのかというところから、ご相談をいただきました。
担当者からのメッセージ
公共工事を元請で受注するため、まずは初めての経審から
公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者は、経営事項審査(経審)を受ける必要があります。
さらに、経審を受ければ自動的に公共工事の入札へ参加できるわけではありません。
公共工事の発注機関は、競争入札への参加を希望する建設業者について入札参加資格審査を行います。
今回の建設業者様は経審を受けたことがなかったため、まず、
• 建設業許可を取得している業種
• 経審を受ける業種
• 今後、公共工事で受注していきたい工種
などを確認し、初めての経審から準備を進めました。
経審についても当事務所で手続を行ったため、結果が出た時点で会社の評点や内容を把握したうえで、次の入札参加資格審査へ進むことができました。
初めて経営事項審査を受けた事例については、こちらでも詳しくご紹介しています。
初めての入札参加資格審査。どこへ申請するか?
入札参加資格審査の定期受付の時期を迎え、いよいよ初めての申請です。
今回申請したのは、茨城県と県央地域を中心とする次の11自治体です。
• 茨城県
• 水戸市
• 常陸太田市
• 笠間市
• ひたちなか市
• 常陸大宮市
• 那珂市
• 茨城町
• 大洗町
• 城里町
• 東海村
申請先については、お客様自身が「この自治体には登録しておきたい」と希望されたところだけではなく、当事務所からご提案した自治体も含まれます。
その際に考えたのは、単純に「申請できるかどうか」だけではありません。
• 会社の所在地
• 現実的に施工できる地域か
• 従業員の通勤に支障がない距離か
• これまで下請として公共工事に入ったことがある地域か
• 今後どの地域へ営業を広げていきたいか
などを確認しながら、実際に元請として工事を受注した場合のことまで考えて申請先を整理しました。
「申請できる自治体」ではなく「受注を目指す自治体」を考える
初めて入札参加資格審査に取り組む場合、
「できるだけ多くの自治体へ申請しておいた方がよいのでは?」
と考えることもあるかもしれません。
ですが、有資格者名簿へ登録されること自体が最終的な目的ではありません。
今回のお客様の目標は、自社が元請となって公共工事を受注し、実際に請け負うことです。
そのため、申請先を考える際にも、その先の受注を意識しました。
今の従業員数からすると、遠方の自治体へ登録しても、実際に工事を受注したときに人員配置や移動の面で現実的に施工することが難しければ、会社にとって有益な営業エリアとはいえません。
一方、これまで下請として現場に入った経験のある地域であれば、地域性や現場周辺の状況を把握していることもあります。
そこで、現在の会社の体制と今後の事業展開の両方を考えながら、県央地域を中心に11自治体への申請を進めることにしました。
11自治体それぞれの要件を確認して申請
申請先が決まった後は、実際の申請準備です。
入札参加資格審査は、
自治体によって申請要件や必要書類などが異なるため、それぞれの内容を確認する必要があります。
今回は、
• 建設業許可業種
• 経審を受けた業種と結果
• 入札参加を希望する工種
• 各自治体の申請要件
• 自治体ごとの必要書類
• 電子申請への対応
などを一つずつ確認しながら、11自治体への申請を進めました。
その結果、初めての入札参加資格審査でしたが、補正もなく、申請したすべての自治体で有資格者名簿への登録が完了しました。
名簿に載ることがゴールではありません
11自治体への登録が完了し、公共工事の元請受注に向けた準備は一歩前へ進みました。
ですが、ここで終わりではありません。
今回のお客様が最初に掲げた目標は、
「入札参加資格者名簿に登録されること」ではなく、「自社が元請として公共工事を受注すること」
だったからです。
そして登録後、実際にその機会が訪れました。
水戸市の公共工事で、初めて入札に参加することになったのです。
下請として公共工事の現場に入っていた会社が、自社の名前で公共工事の入札に参加する。
ご相談いただいた当初に目指していた「元請への第一歩」を、実際に踏み出すことができました。
初めての入札。その結果は……
初めて参加した水戸市の入札。
結果は、残念ながら落札には至りませんでした。
入札参加資格を取得したからといって、すぐに公共工事を受注できるわけではありません。
それでも今回、
初めて経審を受けるところから始めた会社が、11自治体の入札参加資格者名簿に登録され、実際に公共工事の入札へ参加するところまで進んだ。
これは、今後公共工事を元請として受注していくための大きな一歩になったと思います。
入札の結果が公表された際、お客様からは、
「今回は残念でしたが、次こそは落札できるように、役職員一丸となって頑張ります。」
という前向きなお言葉をいただきました。
公共工事への挑戦は、ここから続いていきます
今回のご相談は、
「自社でも元請として公共工事を受注できるようにしたい。」
というところから始まりました。
そこから、
初めての経営事項審査
↓
入札参加資格の申請先を検討
↓
11自治体へ申請
↓
すべての自治体で登録
↓
水戸市の入札へ初参加
と、一つずつ段階を進めてきました。
初めての入札では落札には至りませんでしたが、「公共工事を元請として受注する」という目標に向けた挑戦は始まったばかりです。
公共工事への参入を考えるとき、経審や入札参加資格審査はそれぞれ大切な手続です。
ですが、本当に考えたいのは、手続を終わらせることではなく、
「どの地域で、どの工事を、これから会社として受注していきたいのか。」
という、その先の事業展開です。
今回のお客様についても、次は「初めての入札参加」から「初めての公共工事受注」へ。
その日を目指して、これからも会社の状況確認や経審対応など総合的に考えながら、サポートを続けてまいります。
お客様の声
これまでは下請として公共工事に携わってきましたが、従業員も増え、会社としても次の段階へ進みたいと考え、元請として公共工事を受注することを目標にしました。
何から始めればよいのか分からないところから相談し、初めての経審、初めての入札参加資格審査まで一つずつ進めてもらいました。
申請する自治体についても、自分たちが希望したところだけでなく、会社の場所や現実的に工事ができる地域などを考えて提案してもらい、11自治体へ登録することができました。
その後、初めて水戸市の入札にも参加することができました。
今回は残念ながら落札できませんでしたが、実際に入札へ参加したことで、ようやくスタートラインに立てたと感じています。
次こそは公共工事を元請として受注できるよう、役職員一丸となって頑張っていきたいと思います。